ジュリアキャメロンさんの「いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。」を読んだので、要約をまとめました。
この本は、ジュリアキャメロンさんのベストセラーである ずっとやりたかったことをやりなさい。 の続編にあたるものです。ひとことで言うと「徹底的に自分を力づける」本になります。
「リタイアした人のための本なのか?」と思っていたのですが、読んでみるととても面白かったです。いずれ訪れる未来のために、30代くらいから読んでおいた方が良いのでは?と感じました。
こんな人におすすめです。
- 思考を明晰にしたい人
- 自分を徹底的に知りたい人
- やりたいことが明確でない人
- 将来に不安を抱えている人
- 時間の使い方が分からない人
それでは、早速本書のポイントを順に紹介していきます。
Point 1.|4つのツール
本書の最大のポイントは「4つのツール」です。これは、脳のゴミを取り除き、自分の快適なゾーンを拡張し、思考を明晰にし、自分を幸せにするものを発掘することができるものです。
「4つのツール」は具体的には以下のとおり。
- モーニング・ページ
- アーティスト・デート
- ソロ・ウォーキング
- メモワール
「4つのツール」それぞれの内容がこちらです。
1.モーニング・ページ
- 朝一番に、思考の流れを書き出す日々のライティング
- A4のノートを使う(思考の幅を広くする)
- 必ず手書きで行う(パソコンは速度が速すぎる)
- 書く内容は自由
- 絶対に他人には見せない(余計なバイアスを防ぐ)
- 続けることでクリエイティビティの回復が図れられる
- 自分の思考を漏れなく視認することができる
2.アーティスト・デート
- 週に一度、探索の旅にでかける
- 遠くである必要はない(近くのペットショップににいくでもOK)
- 自分が興味をひくものを探すための外出
- 自分の快適なゾーンを拡げることができる
3.ソロ・ウォーキング
- 週に2度、なにも持たずに歩く
- 時間は20分ほどで良い
- 一人で歩く
- スマホ、友人、犬は禁止
- これにより、思考が明晰になる
4.メモワール
- 1週間に一度過去を振り返る。
- 人生を12個にわけて毎週実践する
- 毎週、用意された質問に答えていく
- これにより、過去の思い出から「私を幸せにするものは何か」を発掘することができる
モーニング・ページは神ツール!
さて、4つのツールを紹介しましたが、最も効果的であると実感したのが1つ目に紹介した「モーニング・ページ」です。
著者はモーニング・ページは「整然とした良い指示」を与えてくれるものとしています。例えばこんな感じです。
- 午前中に企画書を見直したい
- 犬と散歩に行きたい
- 晴れているのでシーツを変えたい
こうして頭に残っていることをテキスト化すると、そのままタスクリストとして活用できることが分かると思います。
なぜ朝なのか?と思う人もいると思いますが、朝の脳は睡眠によって鎮静化しています。つまり、朝こそが思考を吐き出す最も効率的な時間だと言えるでしょう。
仮に夜に書くとしたら、「今日はこんなことを言われた」「付き合いの飲みですごく疲れた」など、ただの「愚痴」になってしまうと思いませんか?
朝の明晰な脳は睡眠により、余分なゴミが取り除かれています。今取り組まなければならないこと、些細なことだが気になっていることをより明確にしてくれます。睡眠で取り除けなかったゴミを捨て去るようなイメージで行うとよいと思います。
ぼくも「モーニング・ページ」をやってみたのですが、一日が明らかに充実したと感じました。
その日の出来事が「起こる」のではなく、自ら「起こした」と感じられるようになったのです。受動的ではなく、「能動的な人生」を毎日を送れるようになりました。
このツールの存在を知れたことは、本著を購入する最大のメリットであると言い切れます。「モーニング・ページ」は本当に素晴らしい!
Point 2.|新しいルーティン
2つめのポイントは「新しいルーティンを作る」ということです。
退職したばかりの人はしばらくは古いルーティン(決まりきった仕事)からの解放を楽しみます。ですが、古いルーティンがなくなったことにより、心は不安定になることが多いそうです。
それはなぜなのか?
社会人の多くが「外部からのルーティン」によって生活しています。例えば、9時に出社するために起床して毎日同じ電車にのる。会社の近くで同僚とランチをとる。などです。
よく考えてみると、平日のほとんどが外部ルーティンによって動かされているのです。ところが、退職すると外部からのルーティンはなくなります。
何時に起きてもよいし、なにをしてもよい。
最初のうちは「自由だ」と感じるかもしれませんが、ルーティンのない人生には不安が訪れます。「私はいったい、なにをすればいいのだろう」という不安です。
そこで、新しいルーティンを作ることでメンタルが安定してくるわけです。
何かに取り組んでいるとき、夢中になっている時って「未来への不安」など考えないと思いませんか?
本書を読んで、ぼくも「習慣によって精神的安定というメリットをうけている」ということに、気づかされました。
Point 3.|人生の目印
3つ目のポイントは、「人生の目印」をみつける、ということです。
具体的には「25の好きなものリスト」を作るという行為なのですが、著者は五感に訴えるものとして、以下のように分類しています。この分類に5つずつ要素をたすことで、25個もの「人生の目印」が明確になります。
- 好きな味
- 好きな手触り
- 好きな匂い
- 好きな音
- 好きな光景
「人生の目印」は徹底的に個人的なものであり、喜びの源になるものです。
著者自身もニューヨークからサンタ・フェに引っ越しているのですが、「自分の好きなもの(動植物)がニューヨークにはなかった」ことがきっかけであったと本書で言及されています。
人生の目印が明確になれば、自分のアイデンティティが明確になります。そして、その中からアクセス可能なものにアプローチすることでまず間違いなく「喜び」が訪れます。
大切なのは「自分はどんなものに興味があるのか」「どんなものに喜びを覚えるのか」という「あなただけの価値観」を明確にすることです。
まとめ
最後に、もう一度本書のポイントをまとめるとこちらです。
- 4つのツール
- 新たなルーティン
- 人生の目印
とくに4つのツールの中の「モーニング・ページ」は本当に神ツールなので、ぜひ原著を読んで実践してみてほしいと思います。
この本は間違いなく、「今年買ってよかった本No.1」でした。自信をもっておすすめします。